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卒業論文をすべてWEBページにまとめてみた 2

このページは卒業論文のコピペです。このページは特に専門用語が飛び交うので興味がある方は読んでもかまいませんが、飛ばしていただいてかまいません。

 

最初に重要な箇所のみを列挙してみます。特に重要な箇所は赤字で表示してみました。

 

①「基本的な言語情報を抽出する」段階では、個々の単語を正確かつ素早く聞き取ることが重要であるが、L2では話し言葉特有の特徴に由来する要因の影響で難しいことが多いため、熟達した聞き手になるにはこのような話し言葉特有の特徴に慣れなければならない。これらの特徴は教材用の英語にはあまり現れないため、教材用の英語だけでなくオーセンティックな英語にも触れる必要があり、具体的には、英語の映画やドラマを観る、ニュースを聞く、歌を歌う、英語を使って色々な国の人と直に交流するなどの学習が有効である。

 

 

②「言語情報を文脈に基づき解釈する」段階では、文脈を利用する力が要求されるため、文脈を理解するには巨視的な情報構造の把握が不可欠で、becauseやanywayなどの談話標識(discourse markers)を学習することが有効である。さらに、ディクトコンプ(dicto-comp)などのアウトプット活動は、要約を意識することで文章の巨視的な理解を促すだけでなく、聞いた音声を文字化することにより音韻知識の習得も促すという二重の効果が期待できるため、効果的である。

  

③「音強勢やイントネーション、語の意味、文法や談話の特徴に関わる言語的処理」では、様々な知識や能力が求められるが、なかでも日本人英語学習者にとっては音強勢に関する処理が最も困難を伴う可能性がある。また中森(2016)の言論を用いて次のように述べている。

 外国語の音声連続を認識する方式は、母語の音韻規則で対応することに限界があり、聴解は極めて難しいものになる。分節化の問題が発生し、音声の流れから単語を抽出するための技術が求められる。強勢、トーン、リズム、イントネーション(抑揚)が、外国語音声を認識する上で必要不可欠な要素となる(p.41)

 

L2リスニングに影響する要因は、⑴ 話し言葉の特徴に由来する要因(音韻的修正、 訛り、韻律的特徴、発話速度、言い淀み、談話構造、非言語的信号)

⑵ L1とL2の違いに由来する要因(言語および社会文化に関する知識の不足)の二種類に分けられるとした。これらの要因の具体例として、大木・前田・岡(2016)は次のように述べている。

 

例えば同化(don’t youがドンチューのように発音される現象)などの音韻的修正を含む英文を聞いた場合、L1の聞き手であれば豊富な言語知識を利用して正しく単語を認識することが可能だが、言語知識の乏しいL2の聞き手ほどその変化に惑わされやすくなる。訛りについても、L1の聞き手はメディアなどを通して多様な方言を聞く機会があるが、(筆者らの経験によれば)本の学校ではアメリカの標準発音を扱うことが多いように、L2の聞き手は特定の方言しか触れていない可能性が高い。

 

発話速度についても、母語話者の自然発話は、教材用として録音された音声に比べ得てして速いため、L2の聞き手の能力では処理が追いつかない可能性がある。実際にConrad(1989)の研究では、英語母語話者が253wpmの速い速度でも聞いた英文に含まれる単語の99%を再生できたにも関わらず、ポーランド語を母語とする英語学習者は同じ速度で39%しか再生できなかった。この結果からも、母語話者と学習者の発話速度に対応する力の間には、大きな差があることが明白である。また言い淀みに関しても、無声休止は聞き手にゆとりを与えるため理解度を向上させるかもしれない。しかし言い誤りは聞き手が構築しかけた意味の修正が必要になるため、聞き手にとってはむしろ負荷となる可能性が高い。

 

ここからが実際の論文の本文ですが、読み飛ばしていただいて構いません。

 

3.2.1. L2リスニングに対する苦手意識を生み出す要因について 

大木・前田・岡(2016)は、話し言葉の重要な特性として、音韻的修正、 訛り、韻律的特徴、発話速度、言い淀み、談話構造、非言語的信号の8つを挙げた。

また、リスニングは多面的で、多くの下位要素を含む処理であるとし、具体的には、

 

①基本的な言語情報を抽出する力

②言語情報を文脈に基づき解釈する力

③音強勢やイントネーション、語の意味、文法や談話の特徴に関わる言語的処理

④文章外のテクスト、すなわち場面のコンテクスト、現実世界の知識をもとに解釈する力(要約、推論、社会言語学的含意の理解、修辞的構造の理解、話し手の意図の理解を含む)

の四つの下位スキルに大別されるとしている。

 

 

そして、Buck(2001)の第二章「What is unique to listening」をもとに、L2リスニングに影響する要因は、⑴ 話し言葉の特徴に由来する要因(音韻的修正、 訛り、韻律的特徴、発話速度、言い淀み、談話構造、非言語的信号)

⑵ L1とL2の違いに由来する要因(言語および社会文化に関する知識の不足)の二種類に分けられるとした。これらの要因の具体例として、大木・前田・岡(2016)は次のように述べている。

 

例えば同化(don’t youがドンチューのように発音される現象)などの音韻的修正を含む英文を聞いた場合、L1の聞き手であれば豊富な言語知識を利用して正しく単語を認識することが可能だが、言語知識の乏しいL2の聞き手ほどその変化に惑わされやすくなる。訛りについても、L1の聞き手はメディアなどを通して多様な方言を聞く機会があるが、(筆者らの経験によれば)日本の学校ではアメリカの標準発音を扱うことが多いように、L2の聞き手は特定の方言しか触れていない可能性が高い。

 

発話速度についても、母語話者の自然発話は、教材用として録音された音声に比べ得てして速いため、L2の聞き手の能力では処理が追いつかない可能性がある。実際にConrad(1989)の研究では、英語母語話者が253wpmの速い速度でも聞いた英文に含まれる単語の99%を再生できたにも関わらず、ポーランド語を母語とする英語学習者は同じ速度で39%しか再生できなかった。この結果からも、母語話者と学習者の発話速度に対応する力の間には、大きな差があることが明白である。また言い淀みに関しても、無声休止は聞き手にゆとりを与えるため理解度を向上させるかもしれない。しかし言い誤りは聞き手が構築しかけた意味の修正が必要になるため、聞き手にとってはむしろ負荷となる可能性が高い。

 

 

  3.2.2. L2リスニングに対する苦手意識に対する対策について

 L2リスニングに対する具体的な学習方法について、大木・前田・岡(2016)は「3.リスニング学習への示唆」として4つの下位要素の段階ごとに対策を述べている。大木・前田・岡(2016)が紹介したこの4つ対策が次の①~④である。

 

①「基本的な言語情報を抽出する」段階では、個々の単語を正確かつ素早く聞き取ることが重要であるが、L2では話し言葉特有の特徴に由来する要因の影響で難しいことが多いため、熟達した聞き手になるにはこのような話し言葉特有の特徴に慣れなければならない。これらの特徴は教材用の英語にはあまり現れないため、教材用の英語だけでなくオーセンティックな英語にも触れる必要があり、具体的には、英語の映画やドラマを観る、ニュースを聞く、歌を歌う、英語を使って色々な国の人と直に交流するなどの学習が有効である。

 

②「言語情報を文脈に基づき解釈する」段階では、文脈を利用する力が要求されるため、文脈を理解するには巨視的な情報構造の把握が不可欠で、becauseやanywayなどの談話標識(discourse markers)を学習することが有効である。さらに、ディクトコンプ(dicto-comp)などのアウトプット活動は、要約を意識することで文章の巨視的な理解を促すだけでなく、聞いた音声を文字化することにより音韻知識の習得も促すという二重の効果が期待できるため、効果的である。

  

③「音強勢やイントネーション、語の意味、文法や談話の特徴に関わる言語的処理」では、様々な知識や能力が求められるが、なかでも日本人英語学習者にとっては音強勢に関する処理が最も困難を伴う可能性がある。また中森(2016)の言論を用いて次のように述べている。

 外国語の音声連続を認識する方式は、母語の音韻規則で対応することに限界があり、聴解は極めて難しいものになる。分節化の問題が発生し、音声の流れから単語を抽出するための技術が求められる。強勢、トーン、リズム、イントネーション(抑揚)が、外国語音声を認識する上で必要不可欠な要素となる(p.41)

 そして、英語の強勢が認識できるようになる確立した学習法はないとしたうえで次のように述べている。

 英語の強勢が認識できるようになる確立した学習法はないと思うが、英語のリズムを意識した音読の方法として寺島(2007)で紹介されている「リズム読み」は試す価値がある。英語には「リズムの等時性」という、強音節が等間隔に現れる特徴がある。リズム読みは、児童向けの英語教育でよく行われるチャンツと同じく、手ばたきなどを使って強音節のところで拍をとりながら音読することである。また音声を聞きながら復唱するシャドーイングや、カラオケのように音声にぴったり自分の声を重ねるオーバーラッピングなどの活動も有効かもしれない。

 ④の「文章外のテクスト、すなわち場面のコンテクスト、現実世界の知識をもとに解釈する力」では、背景知識を利用して推論する力が求められるが、L1とL2ではその知識を共有していない場合があるので注意が必要である。リスニング試験での例を挙げると、TOEIC L&R Test では、ビジネスの実務に関する知識や経験があるかないかが影響してくると考えられるため、公式問題集やビジネス用の英語教材に触れた方が背景知識を利用した推論がしやすくなるだろう。大木・前田・岡(2016)は英語圏と日本の習慣の違いについて次のように述べている。

 その典型的な例がジェスチャーなどの非言語的信号で、似たような仕草が文化間で異なる意味をもつことがある(例:日本の手招きは英語圏ではGo away.の意味だととられる可能性がある)。このような知識は映画やドラマから吸収する方法もあるが、それに特化した書籍(Hamiru-aqui, 2004; サウスウィック, 2015など)を読んで明示的に学ぶのも効果的だろう


3.3.1. 英語の発話速度について 
3.3.2. 英語の発話速度と理解力の関係について 
3.3.3. TOEICリスニングテストの発話速度について 
4. 分析結果 
4.1. TOEIC L&R スコアによる能力別の英語能力に対する分析について 
4.2. 英語自己評価と英語母語話者に対する英会話評価への分析と考察 ~TOEIC L&R スコアよる能力別評価~ 
4.2.1. 英語自己評価 
4.2.2. 英語母語話者に対する英会話評価 
4.3.1. 英語リスニングに対する苦手意識についてのアンケート分析結果 
4.3.2. L2リスニングに対する苦手意識と自信への分析と考察 ~TOEIC L&R スコアの4つの壁~ 
4.3.3. 日本語訛りのある英語に対する日本人英語学習者の苦手意識と自信の分析と考察 ~TOEIC L&R スコアによる5つの群分け~ 
4.4.1. L2リスニングの英語アクセントの聞き取り能力に対する分析と考察 ~TOEIC L&R スコアによる5つの群分け~ 
4.4.2. L2リスニングの英語アクセントの聞き取り能力と英語母語話者に対する英会話評価 
5. まとめ 

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